面白かったー!!
何で?どうして?と止まらなくなり、ゆっくり読み進めるつもりが、気付けば一日で読了してしまった。
あらすじ
9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か?
大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。
翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。
そんな矢先に殺人が起こった。
だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。ーー犯人以外の全員が、そう思った。
タイムリミットまでおよそ1週間。それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければならない。
※以降ネタバレ注意
あらすじだけ読んでてっきり被害者は1人だと思っていたら、2人目3人目と犠牲者が出てびっくりした。
こんな密室で1週間しか猶予ないのにそんなにバンバン殺して大丈夫か!?バレない!?と心配していたけど全然大丈夫だった。
何となく麻衣が犯人の気はしてたのだが、動機の検討がつかず……。
最後の最後まで柊一と共に騙されてしまった。
麻衣、強か……。
作中で詳しくは語られていないが、麻衣は「愛されること」に強い憧れ、執着があるのだろう。言い換えれば自分を好きな人が好き、というタイプだ。
隆平に言い寄られたから結婚したし、地下建築の中では柊一の想いに応えようとする。
麻衣を愛してくれる人は、隆平でも、柊一でも、おそらく彼女の肉親でもなかった。地下建築から脱出した外の世界で、彼女は運命の人を探しに行くのだろう。
最後の解説でも触れられていたが、翔太郎の心情を思うとあまりにもしんどい。
真実を察する暇も無いほど直前まで希望を持っていられたことがせめてもの救いか……。
地下建築に残されたメンバーにとってはこれ以上無いほどのバッドエンドなのだが、麻衣の名探偵ならぬ名犯人っぷりに不思議と爽快さも感じる読み心地だった。